宗旨
10.教行信証
～浄土真宗の根本教義が示された親鸞聖人畢生の書～
親鸞聖人の主著
親鸞聖人の代表的な著作が『教行信証』全６巻です。
正式名称を『顕浄土真実教行証文類』といい、浄土真宗の根本教義が示されていることから『本典』ともよばれます。６巻それぞれの概要を見ていきましよう。
「教巻」
『大経』こそが真実の経典であり、釈尊は『大経』を説くためにこの世に出現されたということが説かれています。
「行巻」
「南無阿弥陀仏」の名号こそが、私たちを間違いなく浄土に往生させ成仏させるはたらきであるということが説かれています。巻末には「正信念仏偈」が置かれています。
「信 巻」
浄土真宗の信心とは、阿弥陀如来からめぐまれる信心であることが、問答を通して緻密に述べられています。また、王舎城の悲劇に登場した阿闍世のすがたを通して、あらゆるすくいから見放された五逆・謗法のものをすくう阿弥陀如来のお慈悲があきらかに示されています。
「証 巻」
いのちを終えて浄土に往生するということは、阿弥陀如来と同じ最高のさとりをひらいた仏に成ることであるということと、浄土に往生して仏となったものは、この世界に還って衆生救済の活動をするということが説かれています。
「真仏土巻」
往生した者が等しく最高のさとりをひらくことができる浄土とは、無量光明土と表現される、さとりそのものの世界であることが説かれています。
「化身土巻」
何が真実の教えなのかをよりあきらかにするために、何が真実ではない教えなのか、つまり真実にみちびくために仮に説かれた教えや、真実に反したよこしまな教えとはどのような教えであるのかが具体的に説かれています。また巻末には、承元の法難の当事者としての、親鸞聖人の弾圧者に対する厳しい批判が述べられています。