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宗旨

11.「正信念仏偈」と七高僧

~私たちの「帰命無量寿如来」~

最も親しまれてきたおつとめ「正信偈」

「正信念仏偈」 略して「正信偈」は、『教行信証』「行巻」 の最後に示された偈文です。親鸞聖人が、阿弥陀如来のすくいにあずかったよろこびから作られました。

「帰命無量寿如来」で始まるこの「正信偈」のおつとめに長年親しんできた方も多いことでしょう。本願寺の朝夕の勤行で「正信偈」と「和讃」のおつとめをはじめられたのは、室町時代の第八代宗主・蓮如上人です。以来現代に至るまで、浄土真宗を代表するおつとめとして広く親しまれています。

浄土真宗の教えの要が凝縮

「正信偈」には、浄土真宗の教えの要が凝縮されています。まず、「帰命無量寿如来 南無不可思議光」と、親鷲聖人ご自身の阿弥陀如来への帰敬のこころが述べられます。次いで、『大経』に基づいて、法蔵菩薩が世自在王仏のもとで本願をおこす場面などが述べられていきます。そして、浄土真宗の基盤となる教えを伝えてくださった、インド・中国・日本の7人の高僧 (七高僧)の徳が讃えられ、最後に、真実の信心を得て浄土の往生を願うべきである、と結ばれます。

それでは、親鸞聖人が尊敬された七高僧とはどのような方がたなのか、うかがってみましょう。

龍樹菩薩(150~250頃)

南インドで生まれられました。大乗仏教の大成者で、日本では「八宗の祖」として、宗派を超えて尊崇されています。著書『十住毘婆沙論』「易行品」のなかで、仏道修行には難しい道と易しい道があることを示し、易しい道である、阿弥陀如来の本願念仏による浄土往生をすすめてくださっています。

天親菩薩(400~480頃)

北インド、現在のパキスタンで生まれられました。著書『浄土論』は、浄土真宗はもとより、中国・日本の浄土教全体に大きな影響を与えた書物です。十字名号「帰命尽十方無碍劫如来」や、浄土真宗の信心をあらわす 「一心」などは、『浄土論』に示された大切な言葉です。

曇鸞大師(476~542)

中国南北朝時代の北魏で生まれられました。経典研究に没頭する中で健康を損ねたことから、不老長寿の法を求めて仙経(道教の書)を入手しましたが、菩提流支と出会い己の非をさとり、仙経を焼き捨てて浄土教の道に入りました。代表的な著作は、天親菩薩の『浄土論』を注釈した『往生論註』です。そこで曇鸞大師が示された「他力」のおしえは、浄土真宗の重要な骨格となっています。

道綽褝師 (562~645)

中国の北斉で生まれられました。王朝の交代が相教次ぎ、示酷ま廃仏の行われた時代に生きた道綽禅師は、末法思想に基づく教えを示されました。

著書の『安楽集』では、仏道を判別して、この世でさとりをひらくことをめざす「聖道門」と浄土に往生してさとりをひらくことをめざす「浄土門」との二門とされ、末法の時代にはただ浄土門だけがさとりに至る道であると示されています。

善導大師(613~681)

中国の統一王朝が隋から唐へ転換する時代に、現在の山東省、あるいは安徽省か江蘇省にあたる地で生まれられました。若い頃には道綽褝師に師事し、のちに長安などで幅広く大衆を教化されました。善導大師の主著は、『観経』の註釈書である『観経疏』です。このなかで善導大師は、従来の誤った『観経』の解釈を正して、『観経』の教えは、南無阿弥陀仏の念仏によって、最低の凡夫が最高の浄土に往生する教えであることをあきらかにされました。

源信和尚(942~1017)

平安時代、大和国当麻(現在の奈良県葛城市當麻)で生まれられました。恵心僧都ともよばれます。天台宗の学僧として名声を博しますが、やがて比叡山奥地の横川に隠棲して、ひたすら念仏の実践につとめられました。主著『往生要集』は、文化・芸術の分野にまで大きな影響をもたらした日本浄土教を代表する書です。同書のなかで源信和尚は、阿弥陀如来の浄土のなかに、真実の「報の浄土」と、真実ではない「化の浄土」があることを示され、念仏ひとつによって真実の報の浄土に生まれることを勧めてくださっています。

源空(法然)聖人(1133~1212)

平安時代末、美作国久米(現在の岡山県久米郡)で生まれられました。比叡山で天台宗の教えを学びますが、43歳のときに善導大師の『観経疏』の文に接して、念仏ただひとつの道に入られました。源空聖人は比叡山を下り、京都の東、吉水の草庵でさまざまな身分の人びとに教えを説きひろめられました。そのなかの一人が若き日の親鸞聖人です。源空聖人は、念仏ひとつの道を阿弥陀如来が用意してくださったことをあきらかにして、浄土教を一宗として独立させ、以後の日本仏教に大きな影響を残されたのでした。


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