宗旨
12.和讃
~うたって味わう教え~
親鸞聖人が詠まれたうた
「和讃」とは、「和語をもって讃嘆するうた」という意味です。親鸞聖人は、わかりやすく教えを伝えようと、500首をこえる今様形式の和讃をつくられました。そのうち『浄土和讃』『高僧和讃』『正像末和讃』をまとめて「三帖和讃」とよびます。
『浄土和讃』
全118首。『大経』をはじめとした経典などによって、阿弥陀如来とその浄土の徳を讃嘆したものです。そのうち「弥陀成仏のこのかたは」の和讃からの六首は、「正信偈」に続けておつとめする和讃としておなじみです。
『高僧和讃』
全119首。龍樹菩薩・天親菩薩・曇鸞大師・道綽褝師・善導大師・源信和尚・源空聖人という、インド・中国・日本にわたる七高僧の教えを、その事跡や著作によってわかりやすく讃嘆したものです。
『正像末和讃』
全116首。親鷲聖人85歳以降の成立とみられます。釈尊が亡くなられて長い年月を隔てた末法の世を生きる者にとって、阿弥陀如来のすくいのほかに道はありません。深い悲しみとよろこびが、親鸞聖人最晩年の味わいをもって述べられています。
本願寺での和讃のおつとめ
現在の本願寺御影堂おける毎朝のおつとめでは、平常は「正信偈和讃」が、つとめられています。その際は「三帖和讃」のなかから順番に六首ずつが日替わりで読まれます。和讃各首にはそれぞれの節があって、勤行集では音の上げ下げなどを記号を用いてあらわしています。記号は感覚的にもわかりやすくできていますので、おつとめの際に参考にしてください。