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宗旨

4.浄土真宗の聖典

「教章」に挙げられている聖典

仏教の聖典は ①釈尊が説かれた教え(経蔵)、②仏教徒が守るべき規則(律蔵)、そして③釈尊の教えに対する解説(論蔵)の三つに大きく分類できます。これら経蔵、律蔵、論蔵は、合わせて「三蔵」とよばれるようになり、この言葉は仏教典籍の総称として用いられるようになります。中国に仏教が伝わると、これらインドで成立した三蔵だけでなく、東アジアで作られた仏教典籍も編入されて、膨大な仏典を含む叢書(一切経・大蔵経)が編纂されます。

浄土真宗では、そうした膨大な典籍の中でも特に「阿弥陀如来の本願の教え」が正しく説かれている典籍を拠り所としています。「教章」の「聖典」の項では、そうした浄土真宗の典籍のうち、日常のおつとめで広く親しまれている典籍が挙げられています。

聖典には意味があります

聖典の代表といえば経典、つまりお経ですが、お経というと世間一般では、意味がわからないものの代名詞のような扱いもされているようです。しかし経典を含めて浄土真宗の聖典は、意味がわからない秘密の呪文などではありません。一定の文法にのっとって書かれ、その文法を踏まえれば誰もが読むことのできる尊い書物です。

『般若心経』もおつとめしません

浄土真宗では『般若心経』をおつとめしません。浄土真宗の拠り所である経典は「浄土三部経」ですから、おつとめする経典は「浄土三部経」に限られます。要するに浄土真宗では、浄土真宗の拠り所の経典をおつとめしているのであって、『般若心経』だけを特に避けているというわけではないのです。

「『般若心経』は全宗派共通のお経なのでは?」と問われることもあります。確かに『般若心経』は多くの人に受け入れられてきた経典ですが、浄土真宗を含め『般若心経』を用いない宗派はいくつかありますので、全宗派共通というのは正確ではありません。

『般若心経』の教えにふさわしくない私

『般若心経』に説かれているのは、自ら修行をして、それによってこの世界で「空」をさとるという教えです。空は大乗仏教の中心思想ですが、空をありのままにさとるということは、頁悩に満ちたこの私にできることではありません。つまり、『般若心経』に説かれている教えと、私自身のありかたとが相応していないのです。

功徳を積めない私

おつとめすると功徳を積めるというのも『般若心経』が人気がある理由の ひとつですが、このような考えかたも浄土真宗にはなじみません。煩悩に満ちた私が経典をおつとめしても功徳を積むのは不可能なのですから。しかし、そのように功徳を積めない私に、阿弥陀如来は最高の功徳を与えてくださっています。功徳を積めない私が、阿弥陀如来によって、功徳を積む必要のない身にならせていただく。浄土真宗のおつとめは、その阿弥陀如来への感謝とよろこびの営みです。

現世祈祷にたよらない私

また、読むと病気が治るといったように、呪術的な現世祈祷の経典としても『般若心経』は広く信仰されてきました。しかし、現世祈祷にたよらない浄土真宗の立場からすれば、そこが一番ふさわしくないところです。

浄土真宗における『般若心経』 の問題は、おつとめをして良いか悪いかといった、表面的身な行為だけの問題ではありません。経典をおつとめすることの意味を、私自身がどう受け止めているのか。そのこころこそが問題になっているといえるでしょう。


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