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宗旨

7.仏説無量寿経

~阿弥陀如来の本願が説かれた真実の経典~

いまだかってないおすがた

『仏説無量寿経』は上下二巻の経典で、『大経』ともよばれます。説法の舞台となったのは王舎城耆闍崛山です。その時、釈尊はいまだかってないほどに尊くすぐれたおすがたを示しておられました。その理由を問うた弟子の阿難尊者に対して釈尊は、仏がこの世界に出現するのは、あらゆる人びとに真実の利益を与えてすくうためである、と説かれたのです。

釈尊が本当に説きたかったこと(出世本懐)

『大経』冒頭に示されたこの場面を通じて、親鵞聖人は、釈尊という仏さまがこの世界に登場したのは、『大経』の教えを説くためであったと受け止められました。釈尊は人びとの苦悩に応じてさまざまな教えを数多く説かれましたが、そのなかでも『大経』こそ、釈尊が本当に説きたかった真実の経典と見抜かれたのです。

法蔵菩薩とは

釈尊は、阿弥陀如来という仏さまが、いかにしてさとりをひらいて仏となったのかを説いていかれます。

はるか昔、世自在王仏という仏さまがこの世界に出現しました。その時、ある国の王が世自在王仏の説法を聞いて、さとりを求めるこころをおこし、王位を捨てて出家し、菩薩(大乗仏教の修行者)となりました。その菩薩の名を「法蔵」といいます。この法蔵菩薩こそ、成仏する前の阿弥陀如来です。

「讚仏偈」

法蔵菩薩は師である世自在王仏を讃え、自分自身も師のようにすべての人びとをすくいたいという決意を偈(詩句)にして述べます。この偈を「讃仏偈」とよびます。「光顔巍巍」ではじまる「讃仏偈」は、抜粋されて独立した勤行として、日常の勤行などで広くおつとめされています。

四十八願と第十八願

「讃仏偈」を述べた後で法蔵菩薩は、五劫という長い間思惟して、すべての人びとをすくうための具体的な方法を四十八の願いとしてあらわされました。その四十八願の第十八番目にあらわされた願には、

わたしが仏になるとき、すべての人々が心から信じて、わたしの国に生まれたいと願い、わずか十回でも念仏して、もし生まれることができないようなら、わたしは決してさとりを開きません。ただし、五逆の罪を犯したり、仏の教えを謗るものだけは除かれます。

と誓われています。この第十八願を「本願」としいいます。この、すべての人びとを信心と念仏によって平等にすくう本願こそ、浄土真宗の教えの中心であり、根本です。本願が説かれているから、『大経』は真実の経典なのです。

「重誓偈」

四十八願を述べ終えた法蔵菩薩は、四十八願の内容をまとめて、偈にして述べられます。この偈を「重誓偈」とよびます。四十八願の内容が重ねて誓われている、という意味です。「我建超世願」ではじまるこの「重誓偈」も、抜粋されて独立した勤行としてよくおつとめされています。

阿弥陀如来の成仏と活動

法蔵菩薩は願いを実現するために、兆載永劫という果てしなく長い間修行を重ね、ついに成仏して阿弥陀如来となられました。それはいまから十劫の昔のことでした。阿弥陀如来はこの世界から西方に十万億の世界を隔てたところにある浄土におられ、まさにいまもすべての人びとをすくうために活動されているのです。

現代人には信じられない?

こうした『大経』の内容に対して私たちは、「昔の人はこういう話も信じたのだろうが、科学が発達した現代ではとても認められない」 などといったことを考えてしまいかちです。確かに私たちの科学知識自体は、昔の人とは比べものにならないほど増えたかもしれません。では、その豊富な科学知識のおかげで、『大経』は私たちにとって、もはや無用になってしまったのでしようか。

経典を読む姿勢

決してそうではありません。どれだけ科学知識を増やしても、感情に振り回され、愚かな振る舞をし、かならず死ぬと知っているのにどうしても死にたくないともがき続ける。これが昔もいまも、そしてこの先も変わることのない私の本質ではないでしようか。そのようにいつの時代も変わらない私の本質を見抜き、その私のすくいを示してくださっているのが『大経』なのです。『大経』を読む時は、他人事としてではなく、どうか、いまの自分の本質が問題にされているということをこころにかけて読んでいただきたいと思います。


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